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耐震改修後と耐震改修前で値段は変わる?

耐震改修工事をすればマンションの価値があがり、高く売れるのはわかっているが、実際には何年先になるかわからなので、今売却をするか、しないか、を悩まれて相談に来られる方がいます。結論から言うと、物件にもよりますが住宅ローン控除の合計分200万円~400万円以上値段が変わります。ただし、無理して耐震改修工事を行い修繕積立金が枯渇したマンションは売りづらく、結果的に値段が変わらない場合もあります。また仮に5年後に耐震改修工事を行った場合、それまでに管理費と修繕積立金が合計で月額3万円と仮定すると180万円、それに固都税が年間13万円とすると5年間で245万円の支出となります。これで価格差はほぼチャラとなります。

現在はマイナス金利なので当てはまらないかもしれませんが、経済の基本は「タイムisマネー」です。貨幣の時間的価値からみれば将来の変動リスクよりも今の方がリスクが低いので、今売るべきです。大規模修繕と絡めて耐震改修工事を同時に行うことが理想ですが、かなり莫大な費用がかかるため、総会で否決される可能性もあります。但し、例外もあります。すでに耐震改修工事を終えているマンションが多いですが、都心部で緊急避難道路に接したマンションは値段がかなりあがりました。中には多額の補助金がおり、修繕積立金をあまり傷めずに、設備の更新も含めた耐震改修工事ができ、マンションの値段が工事前よりも1,000万円以上あがったケースもあります(例:渋谷区山手通り沿いのマンション)。