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居酒屋テナントの苦境を救うのは誰?

渋谷区を中心に首都圏で中古マンションの売買を中心に営業している株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。今日は居酒屋等主に夜にお酒を提供するお店の売上高の推移と利用客の推移をグラフで示したいと思います。


居酒屋の売上高と利用者客は2020年9月時点で前年比約50%と厳しい状況が続く!

新型コロナの患者数の増加により、2020年3月から売上高及び利用客数が激減し4月と5月は前年比で10%という非常に厳しい状況が続いた後は、徐々に売上高並びに利用客数は増加していますが、上記グラフが示すように9月時点では共に前年比で半分程度にしか回復していません。

 

仮に損益分岐点が80%程度とすると、とても利益を出せるような状態ではなく、赤字の垂れ流し状態といえます。

 

この状態がニューノーマルとして定着した場合、借金が無く自社所有の店舗を持つお店以外のテナント(毎月家賃を支払っている居酒屋)は、ほぼ壊滅状態というか、世の中から居酒屋という業態がほぼ消滅してしまうことになりかねません。

地下店舗が特にダメージが大きい!

繁華街の場合、地下にお店がある場合も多いですが、換気が行き届かない感じがして敬遠するという方が非常に多く、居酒屋だけでなく他の業態でも厳しい経営状況が続いています。

 

初台でも出店に勢いがあったフィットネスジムも地下にあったため閉鎖してしまいました。

 

大規模オフィスビルなどの地下街はまだなんとか持ちこたえているものの、中小ビルの地下店舗はかなり厳しい環境にさらされています。

 

昼間のランチ営業は大丈夫なのですが、夜と祝祭日は終日を通して客足が戻っていません。

ビルオーナーとの痛み分けという選択肢!

ビルオーナーは不労所得だから家賃を下げろ!的な発言も多く見られますが、ビルオーナーは自らの資産を最大限に活かすために、多くの借金を背負いリスクを取ってビル経営をしています。また設備の更新や建物の劣化抑制にも多大な費用がかかります。

 

そのため、簡単に家賃を下げろ!と言われても素直に「はい」とはすぐには言えません。家賃収入が減れば、返済資金がショートする場合もあります。

 

しかし、飲食店舗は現在非常に厳しい状況下におかれているので、テナントが退去してしまった後の新たなテナント付はそう容易ではありません。

 

繁華街で飲食店舗が占める割合は非常に高く、飲食店無しではビル経営は成り立たない面があります。

 

新型コロナにより数年先に徐々に顕在化するはずであった人口減少と高齢化社会による市場縮小が一気に目に見えて押し寄せてきました。

 

これに対応するには家賃を低減するしか、この苦しい状況を乗り越える方法はありません。テナントがいなくなれば収入はゼロになってしまいます。一時的な免除や減額では、今後も続くと思われる新型コロナの脅威には立ち向かうことはできません。幸い現在、金利が非常に低いため、場合によっては返済負担を低くするよう金融機関に交渉する必要もあるかもしれません。

 

家賃は一気に下げるのではなく、固定家賃をやめて、売上高に応じた固定家賃+変動制家賃に変更していくことが現実的だと考えます。家賃を一旦下げてしまうと、新型コロナが終息して客足が戻った場合、今度はオーナーは家賃をあげることが難しくなります。

 

家賃を固定家賃+売上高に応じた変動制にすることが一番現実的な考え方と思われます。

 

テナント側としては自分の懐をビルオーナーに見られてしまうことにネガティブになることは理解できますが、ビルオーナーとテナントは共同経営者という考え方でお互いがよりよくビルを運営していくという考えを共有することが理想的だと感じます。

 

家賃が相対的に下がると、地価も下落し、固都税も減ることになり、オーナーの負担も少しですが和らぎます。

 

但し、国からすれば地価が下がれば国力が下がることになるので地価の下落は避けたいところだと思いますが、コロナ禍では地価が下落しないと国自体が財政破綻する可能性も否定できません。

 

各市町村(東京23区は東京都)にとって固都税は大きな収入源であり、ここ数年の間、固都税は上昇し続けている大切な財源ですが、コロナ禍で適切に減額される必要があると思います。

 

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