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マンションリノベで注意すること(施工編)

渋谷区を中心に中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

今日は中古マンションを購入した際に注意するべき施工内容についてお話します。

弊社が仲介させて頂いたお客様のリノベ後のキッチンまわり
弊社が仲介させて頂いたお客様のリノベ後のキッチンまわり

まずは重要事項調査報告書と管理規約をチェック! 

まず、管理に係る重要事項調査報告書(重調)に記載されている内容をチェックします。ここにはマンション内で定められている規則や長期修繕計画書の有無、駐車場、駐輪場の状況、管理費や修繕積立金の滞納状況や残高、ペット飼育の可否など重要な情報が記載されています。

 

施工で注意が必要なのが、リフォームの規則が記載されている項目です。ここには使用細則の有無、申請方法、フローリング変更の際の遮音等級規制などの有無が大まかに記載されています。

 

フルリノベーションの際には、この重調の内容だけでは足りないので、管理規約もチェックする必要があります。

 

管理規約には「専有部分の修繕等」という項目があり、そこに修繕に関する規則が記載されています。更に多くのマンションで別途「専有部分修繕に係る使用細則」を作成しており、そこに詳細な内容が記載されています。

 

マンションで大きなトラブルになる要因の第一位は上下階の音の問題です。この音のトラブル回避のために、元々の設計が二重床二重天井を採用し、更に遮音等級をLL40等級以上としているハイスペックなマンションもありますが、多くのマンションでは「フローリングの遮音等級はLL45等級以上とする」とした定めになっています。

 

中にはフローリングはNGであったり、下の階の同意を要するといった使用細則があったり、逆に、フローリングの遮音等級を定めていないマンションもあります。

 

私の個人的な意見ですが、後々のトラブルを避けるためにも、遮音等級を定めていないマンションよりも、「遮音等級LL45以上とする」等と定めているマンションを選んだ方が良いと思います。

 

フルリノベーションの際には解体時の音がかなり大きいので、施工前に必ず施工業者と一緒に上下階及び隣接住戸には挨拶に行った方が良いと思います。

 

また、工事開始の2~3週間前に工程表と工事内容を理事長へ提出し、承認を得ることを必要するマンションも多く、また土日祝日は音の出る工事は禁止で、工事時間は8時~17時前後と定めているマンションも多いので、余裕を持った引越計画を立てましょう。

窓の位置や眺望は変えられない! 

フルリノベーションを前提にて内見する場合の注意点は、リノベーションでは変えることが出来ない所を良く見ておくことです。また、マンション全体の雰囲気とエントランスが自分自身の中で許容できるものなのかも重要です。

 

エントランスはマンションの顔なので、第一印象でエントランスが気に入った場合、そのマンションを選択される方が多いと思います。

 

後は窓、玄関、トイレの位置です。窓枠、窓、玄関枠と玄関の外側は共用部のため、勝手に変更することが出来ません。またトイレは大きな物が流れるため、縦管に直結していることが望ましいためです。

 

眺望を気にされる方は、窓からの眺望や陽当りを確認してください。また内見する場合は立ったままの状態が多いですが、もし可能であれば、お住まいのお客様の使用されている椅子やソファ等に座って、座った位置での眺望を確認してください。

 

理由は家でくつろく際には、立っている状態よりも座っている時間の方が長いからです。

 

これは、内見する前にチェックする項目ですが、部屋の形と玄関扉の位置です。部屋を広く利用するにはデットスペースになる廊下部分を極力減らした方が効率的な住まいが創れます。

 

細長い部屋やデッドスペースが多い形のマンションはリビングダイニングを広く確保出来ない場合が多く、家族が集うスペースを広く確保したい方には不向きといえます。

 

また、どうしても内見するとその部屋自体の間取りを気にして見てしまいますが、フルリノベーションの際には一旦スケルトン状態にしてしまうので、極力気にしない方が良いと思います。

 

気にするのであれば、天井高がどれくらい確保できるかとか、既存の間取りや部屋の広さを見て、自身が考えている間取が可能であるか?に注意を払ったほうが良いと思います。

水回りや梁、壁、電気の容量をチェック 

水回りが移動可能かパイプスペースの位置を確認しましょう。トイレと違ってキッチンはある程度の距離であれば移動が可能な場合が多いです。

 

但し、キッチンの排気ダクトのルートはしっかりと確認する必要があります。梁をまたぐ場所へキッチンを移動するには梁にスリーブを開ける必要がありますが、キッチンの移動のためにスリーブを開けることを許容するマンションはほぼありません。

 

梁をまたぐ排気ダクトにすると曲がったダクトに年月が経過すると油が溜まり、火災を引き起こす原因になる可能性がありますので絶対に避けましょう。

 

稀に一部の部屋でエアコンとエアコンの室外機を結ぶスリーブが空いていないマンションがありますが、これらの多くはスリーブを開けることを禁止していますが、スリーブを容認しているマンションもありますので、どうしても必要な場合は管理組合に確認して見ると良いと思います。

 

築年数は経過していますが、非常に管理体制が良好な元住吉のあるマンションでは、しっかりとした施工計画を出せば、スリーブを開けることや、サッシの変更も可能となっています。

 

また最近はほとんど見かけませんが、古いマンションの場合、スラブ下配管の場合があります。スラブ下配管とは自分の家の配管が下の階の天井にあるタイプです。

 

このスラブ下配管の場合、横引配管をやり直すには下の階の方の天井を壊す必要があるので取り換えは出来ませんが、稀にマンション全体で取り換え工事を行っているマンションがあります。

 

これを確認するにはユニットバスの点検口を開けることによって確認できます。何度も内見したことがある池上にある、やはり築年数は経過していますが、管理体制の良いあるマンションでは横引配管をマンション全体で取り換えた実績があります。

 

天井を「躯体あらわし」と言って、コンクリ-トがむき出しになった状態のリノベーションが男性を中心に人気がありますが、最上階の場合だと、断熱材が施工されている場合があるため、その場合には、躯体あらわしは出来ないために、天井を造作する必要があります。

 

躯体あらわしはインダストリアル(工業的)でお洒落と言って好まれますが、実は施工費が抑えることができます。

 

私も経験がありますが、天井の造作工事は施工する際に馬(施工する際に使う台)等にのって上を向いた状態で行うので体勢が厳しく、作業効率が悪いので施工費が結構嵩みます。

 

天井のコンクリートの施工状態にも寄りますが、躯体あらわしは、コストカットが出来てかつお洒落な施工方法と言えます。

 

マンションの中には電気の容量を増やせないマンションがありますので、電気容量等を確認してください。確認方法はこちらのブログを確認してください。

 

これらの内容は実際に内見に行った際に、自分自身で全てチェックするのは困難なので、リノベーションに精通した方と一緒に内見に行った方が良いと思います。

 

弊社ではフルリノベーションご希望の方のマンション選びに相当数携わっておりますので、お気軽にお声掛けください。