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気象庁が風速50m以上の新指標を今秋にも新設へ

渋谷区で中古マンションの売買仲介を中心に行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

今日は新たに気象庁が新設予定の風速の新基準についてお話したいと思います。

 

気象庁は天気予報に用いる風の強さに、風速50m以上を今秋にも新設する予定です。現在の指標は下記の図の通り、平均風速は7段階としていますがこれに風速50m以上が新設されることとなります。

 

平均風速は10分間に吹いた平均の風速です。

 

今回新設する風速50m以上は「風の強さ(予報用語)」としては猛烈な風に区分して、建造物の欄に「建造物や街路樹、電柱などが損壊する恐れがある等」を指摘する方向で、詳細は日本風工学会などと調整中とのことです。

現在使われている風の強さ(予報用語)平成29年9月一部改正 気象庁のホームページより引用
現在使われている風の強さ(予報用語)平成29年9月一部改正 気象庁のホームページより引用

風速50m以上の風とは?? 

日本風(かぜ)工学会のホームページによると風速50m以上の風は時速180kmに相当し、風速60m以上は時速216kmに相当し、新幹線並みの速度としています。

 

屋外設置物については

・電話ボックスや自動販売機が倒れたり、移動したりする。

・電柱や街灯が倒れる。

・ブロック壁が倒壊する。

 

建造物については

風速50m以上

・屋根瓦・葺材および野地板・下地板が飛散し、小屋組が露出する。

・外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出し始める。

・老朽化した木造物が倒壊する。

・木造小屋の屋根が骨組みごと飛散し始める。

・金属屋根の葺材が広い範囲で剥がれる。

・固定していない雨戸や窓シャッターが外れ始める。

 

風速60m以上

・木造住宅の倒壊が始める。

・鉄骨倉庫が変形する。

 

という事が起きるとしています。

日本風工学会のホームページはこちら

瞬間風速50m以上の風は既に常態化している!! 

平均風速50m以上は高知県の室戸岬や沖縄県の宮古島等の9カ所で観測された記録が残っていますが、最大瞬間風速50m以上は頻発しています。

 

10分間に吹いた風の平均風速が50m以上はさすがに少ないですが、近年で言えば千葉県に上陸した令和元年(2019年)の台風15号(9月9日で最大瞬間風速57.5m)は建物の倒壊や樹木の倒木、屋根が吹き飛ぶ等の被害が多数発生し、長期間の停電、断水、通信障害が起きています。

 

本年8月の終わりに南房総市にお墓参りに行った際にも、いまだに台風の傷跡が散見されました。

 

また令和2年(2020年)の台風10号は上陸はしませんでしたが、9月5日から9月7日にかけて南西諸島と九州に接近しました。

 

その際、長崎県野母崎で最大風速44.2m、最大瞬間風速59.4mを観測し、宮崎県日向沖で11.4m、鹿児島県屋久島で10.4mの高波が観測されました。

 

幸いにもこの台風は特別警報級(警報の発表規準をはるかに超える大雨や、大津波等が予想され、重大な災害の起こる恐れが著しく高まっている場合に発表し、最大級の警戒を呼びかけるもので平成25年(2013年)8月30日から気象庁が運用開始)とされていましたが、そこまでの被害は出ませんでたが、空家が倒壊したり、屋根が剥がれたりの被害が発生し、鹿児島県では13の市町村であわせて約56万人に避難指示が出され、約26万戸が停電しました。

 

また、猛烈な風は沿岸部や島しょ部、平野から山間にかけて狭くなる地形や、局所的な所では高層ビルの谷間などでも発生しますので、そのような場所にお住まいの方や勤務先がある人は大型台風がきた際には注意が必要です。