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メンバーシップ型とジョブ型雇用とは??

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

前回に続き、公益財団法人日本生産性本部の「第6回働く人の意識に関する調査」の中で、「メンバーシップ型」と「ジョブ型」の雇用システムについての記載があり、今後の働き方改革にも関連するのでこのテーマでお話したいと思います。

 

メンバーシップ型は「人に仕事を付ける」仕組みであり、ジョブ型は「仕事に人を付ける」という考え方でです。

 

メンバーシップ型はいわゆる日本企業の従来的な考え方であり、数年おきに仕事内容や勤務地を変えて、総合的な知識を身につけさせるといパターンです。良く言えば「何でもある程度の知識はある。」悪く言えば「その会社のカラーに染まる。」という働き方です。

 

一方、ジョブ型は仕事内容や勤務地が予め決められており、与えられた仕事についての即戦力となる人材を社内又は外部等から呼び寄せます。

 

ジョブ型はその仕事が会社の要求する目標に達しない場合や事業の再編などにより無くなれば、職を失う可能性もあります。こちらは主に外資系の雇用形態と言えます。

 

アンケートによると、もともとジョブ型の働き方を希望する人の方が多いですが、2021年4月の調査よりも2021年7月時の調査の方が更に増えています。

 

性別で見ると男性より女性の方がジョブ型を希望する人が多くなっています。この調査結果を見ると共働きが大半を占める世の中になってはいますが、未だに女性の方が、家庭を主体に考え、勤務地や勤務時間を選ぶという方が多いためだと私は感じています。

 

また若い世代ほどジョブ型を好みますが、60代70代でも約6割がジョブ型を希望しています。

 

若い人ほど、即戦力が求められ、給与は高いがリストラの可能性がある仕事にも、果敢に挑戦できる。一方60代70代は今までの社会人としてのスキルを活かしたい。新しい仕事や転勤は嫌というコンサバ的な感情が強くあらわれるからではないでしょうか?

お医者さんも専門医が人気!?

ナイトドクターというドラマで「専門医」と「なんでもこなすが専門性の高いスキルを磨くことができないナイトドクター」との比較がされており、ドラマの中では専門医の方が偉い的な設定になっていましたが、実際の医療現場でも専門化が進んでいるようです。

 

私は仕事でお医者様をご案内することが比較的多く、以前、物件案内をしたドクターは、背中専門のドクターでした。40代前半のこのクールなドクターに、なぜ背中のスペシャリストになったのかをお聞きました。

 

「遠藤さんが、背中に重い病があり、手術しないといけないとなった際に、年に数回切るか切らないというドクターと私のように月に何件も手術をしているドクターのどちらを選びますか?」と言われました。

 

私は迷いなく、背中専門のドクターに手術をお願いします。と答えたら、「でしょ。それが答えです。」とにこやかに笑っておられました。

 

一方、別のドクターには、「僕は神経内科が専門だが、総合的に判断できるようにいろいろな勉強をしている。特に中国系医療を勉強している。なぜならある特定箇所が痛くても、その痛い場所とは全く異なる病気によって、その痛さがもたらされることも多いから。」と言われていました。

 

このドクターは生まれた時からブラックジャックのように顔に青いアザがある先生で、幼少の頃、かなりそれがコンプレックスになっており、自分のような又は別の病気等でコンプレックスを持つ人を少しでも減らしたいという想いでドクターになられており、朝から晩まで患者様のために親身になって働いておられ、ブッタのような先生です。

 

どちらの先生も素晴らしい先生のため、どちらの意見もきっと正しいのでしょう。

 

また某有名大学病院のドクターに、「なぜうちの病院が凄いか知っている?それは患者さんを複数の目で見ているからだよ。どんな名医と呼ばれる人でも、人為的なミスは100%防げない。多くのドクターの目によって、チェックすることにより、人為的なミスを極力防ぐことができるんです。」と言っておられました。

会社と雇用者の間にギャップ?? 

メンバーシップ型からジョブ型へ日本も移行している実態がこの調査結果レポートから判断できますが、経営者側と雇用者と間には結構大きな溝があるようです。

 

メンバーシップ型の働き方を希望する人は、勤め先を信頼しており、勤め先から受ける教育にも満足している人でその割合は4割程度となっています。

 

逆説的に言えば、6割の人が勤め先を信頼しておらず、教育機会にも恵まれていない。ということになります。

 

誰もが知るような大企業で働いている人は、上記条件が当てはまる可能性が高く、それ以外はなかなか当てはまらないといのが実態かと思います。

 

かといって大企業と言われるような企業でも、そこで働く社員は、会社のネームバリューは好きだがその会社自体を愛している訳ではなく、その企業に対外的に籍を置いていることがステータスなので、言われたことしかやらない。という方も多くいると言われています。

 

そのため経営者は愛社精神をもってもらおうと、社員と役員が双方もっと身近な存在になるように努力しているようです。

 

一方、スタートアップの企業は同じ志を持った人たちが集まっているので、団結心が強く、愛社精神も強いと言われています。

 

上記の中に含まれる人々はまだ良いと思うのですが、大半は、その場しのぎで仕事をして、更に専門性を高める努力に欠けるとういうか、そのような意識にならない。ように感じられます。

 

権利と義務という話が良く出てきますが、仕事のやりがいが一番といいながら、実は勤務地が一番で残業もしたくないという方等が一定数存在します。

 

私はリゲインの「24時間働けますか?」の世代なので、今のご時世あっておらず、改善しないといけないのですが、仕事が面白くてやりがいがあったら残業という概念が無くなってしまうと思うのですが。。。

 

エアコン設置のブロクで書かせて頂きましたが、エアコン1台設置するにも、その周囲に関連する仕事が出来ないと、また別の人を呼ぶことになり、時間のロスが起こります。

 

かなり無茶を言いますが、雇われている人々が自分の働いている企業や業界の基本的な仕組みと事務系、営業系、現場技術系の役割とそれぞれの立場を理解したうえで、自分が最も興味があり、強化したい専門分野をしっかりと学び、それを突き詰めていくことが理想ではないでしょうか?

 

綺麗ごとになってしまいますが、働く人を大切にすれば、働く人もその企業に報いようとする。これが相乗効果となって、企業も社員もスキルアップし、バージョンアップしていくのではないでしょうか?

 

ちょととりとめのない話になってしまいました。

 

皆様にはこの調査結果レポートを客観的に読んで頂きたいので下記のリンク先でレポートをお読みください。

第6回 働く人の意識に関する調査 財団法人日本生産性本部