· 

マンションは土地代が高い方が有利?

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。 

 

建物は、物理的劣化又は機能的劣化、もしくは双方の劣化により建替えが必要になるため、究極、マンションが建設されているその土地の時価がそのままマンションの価格となります。

 

最近はアスベストの規制や地球温暖化に関する関心が高まりによるCo2の排出規制などの影響を受け、建物の解体費用もバカにはなりませんが、劣化が進めば建物はいずれにしろ壊さざるを得ませんので、ここの部分は今回考慮しません。

 

よく、法隆寺だって1,000年以上、イタリアの石の建物に至っては西暦前の建物なのに未だに利用されているのに、マンションは40年から50年程度で建替えの話が出てくるの?というお話もありますが、40年から50年で建物が物理的に劣化し、建替えが必要になるマンションは、適切な修繕工事が適時行われていなかったマンンションです。

 

近年はマンションの適切な管理と修繕に対する認知度は高まっていますが、バブル期を過ぎるくらいまでは、適切な修繕の必要性等はあまり重要視されていなかったので、築年数が古いマンション程、劣化が激しい物件が多いのも事実です。

 

マンションの構造体の多くは基本、鉄筋又は鉄筋と鉄骨とコンクリート(水、セメント、砂利)で出来ており、そもそも錆の原因になる性質の鉄と水が施工時に使われていますし、コンクリートの特性として、そもそも水を通しやすいので、適切な修繕を行っても、現在の技術では100年程度くらいしか持たないと言われています。

 

なので都心一等地の適切な管理と修繕が行われているマンションであれば、築40年以上経過していても、値崩れするどころか、その希少性立地によって、値段が上昇するという現象が頻繁に起こっています。

 

例えば、千代田区の番町エリアや表参道エリア、広尾エリア、麻布エリア、代官山エリアなどの富裕層が好むエリアのマンションは築40年を超えても億を超える価格帯で取引されているマンションがいくつもあります。

 

2000年以降に建築されたマンションでも価格が上昇しており、ここ数年での中古マンション相場は新築時の値段よりも高くなっているマンションも数多くあります。 

 

そのような物件に共通する特徴は希少価値の高い立地にあるという点です。

今でも坪単価が優に500万円越えで取引されている築57年の原宿駅前のコープオリンピア
今でも坪単価が優に500万円越えで取引されている築57年の原宿駅前のコープオリンピア

分譲マンションの価格の構成要素 

 マンションの売値は土地代+建築費+利息とそれぞれに要する諸費用が原価となり、それに各会社の経費を加え、後はそれぞれのデベロッパーの利益率に基づいて、売出価格が決まります。

 

この中でデバロッパーにとって最も重要なのは土地の仕入れです。

 

米国の不動産関係者ではローケーション・ローケーション・ロケーションという言葉が良く使われますが、日本語で言えば、「1,2が立地で3、4が無くて5に立地」という言葉に当てはまるように、いかに良い土地を仕入れることができるかで、マンション開発の成否が分かれると言っても過言ではありません。

 

先ほどの価格構成の3要素である「土地代」「建築費」「借入コスト」を見てみると、現在、金利はマイナス金利政策のため、大手デベロッパーでは非常に良い借り入れ条件での融資が可能となっており、構成要素としての比重はかなり弱くなっています。

 

逆に、近年建築費や解体費が高騰の一途をたどっており、建築費がマンション開発の大きな比重になっています。

 

今後は売値で5000万円を超える値付けが出来ない立地でのマンション開発は、今後、難しくなるのではないか?とも言われています。

 

しかしながらなんといっても土地が無ければマンションは建設できないので、土地の仕入れがデベロッパーにとって最も重要な位置づけとなります。  

土地の評価が高い物件は売却時には税法上も有利!? 

中古でマンションを購入して、その後売却した際の、譲渡所得金額を算出するには、建物の減価償却費相当分を建物取得価格から控除する必要があります。

 

土地と建物が一体となっている個人間売買のマンションの場合には上記表を利用して建物の価格を算出します。

 

建物の構造体部分にかかる費用は、100歩譲って、あまり変わらないとしても、郊外型の大型ファミリー向けマンションと都心のハイグレードマンションでは、建築の仕様がかなり違ってきます。

 

特に、新築時に平均販売価格が1億円を超えるマンションの場合はスラブ厚から二重床二重天井、ハイサッシ、複層ガラス、住宅設備をハイグレードにするなど、かなり建築費が高額になる要素が多く、また近年ハイグレードマンションの代名詞になっているタワーマンションも通常のマンションよりも建築費は割高になります。

 

これらを考慮するのであれば、評価証明書に記載してある建物と土地の割合から逆算して、案分を求める方が理にかなっているのではないか?と税務相談室に確認してみました。

 

回答はなんとこの「建物の標準的な建築価格表」をどの地区のマンションであっても採用してよいというか、「こちらの表を使ってください。」との回答でした。 

 

国税局は「建物の標準的な建築価格表」の他に、実は地域毎の建築価格表もホームページ上で公表しています。

 

なんとも釈然としないので、税理士に確認したところ、算定基準に合理的な根拠があり、その内容が説明できるのであれば、税務署は文句はいわないはずとのことで、私が言っている内容で計算しても何ら問題無い。との話でした。

 

ただ、確定申告の手引きで「マンションなどのように建物と土地を一括で購入している場合の「建物の取得価格」」という項目を設け、建物の標準的な建築価格表を国税局が公表しているので、そのように答えたのではないか?とのことでした。

 

ということは、どんなマンションであっても、建築費は「建物の標準的な建築価格表」で計算して良いということになります。

 

「土地代が高いエリア=高級マンション」なので建築費も標準的な物件よりも、かなり高いですが、標準的な物件と同じで良いとの事なので、「建物の標準的な建築価格表」で建物価格を計算した方が、減価償却費相当分が実際よりもかなり低く抑えることができ、取得費からの控除金額が減り、税金も安く抑えることができることになります。

 

逆説的に言えば、マンションの建築費は変わらないので、税法上でも、マンションの価格は土地代が高い程高いということになります。