お仏壇はどこに置くの！？

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

最近の住宅は和室を設ける事が少なくなってきています。

特にマンションの場合はその傾向が顕著になっています。

このような場合、もしご両親が亡くなって、お仏壇を引き取った場合、お仏壇を置く場所はどこになるのでしょうか。

そもそもお仏壇を置く場所の「仏間」とは、仏壇や位牌を安置し、先祖の供養やお参りをする神聖な場所として位置づけられ、住まいの中に取り入れられてきました。

伝統的な日本の家屋において仏間は独立した空間でしたが、近年は昔に比べて家がコンパクトになったこともあり、お仏壇を置くスペースのみを指して「仏間」として間取りに表記する場合もありますが、昨今では、「仏間」という表記自体も非常に少なくなっており、売りに出される中古住宅に仏間がしっかりと表記されていたり、実際にお仏壇がある家は数十件に１件あるかないかが実情といったところでは無いでしょうか。

では、仏間としてのスペースを確保することが難しく、それでもお仏壇を置かなければならないことになった場合に、お仏壇はどこに置けば良いのでしょうか。

和室に床の間があるお部屋の場合には、そこに置きたいと考えがちですが、仏間と床の間は本来は全く役割が異なります。

仏間は「仏壇を置く場所」であり、「床の間は客間の格式を高めるために一段高くしたスペースで掛け軸や活花を飾る場所」となっています。

但し、床の間には宗教的な意味合いはないので、スペースが限られてしまう場合には、お仏壇を置いても問題は無いようです。

親類やご両親が信心深い場合や、先祖を丁寧に祀りたいのであれば仏間を用意した方が良いでが、都心のマンション暗いsではそうもいきません。

実際のケースとしては家族が集まるリビングや寝室にお仏壇を置くことも問題ありませんが、お仏壇に背（足やお尻）を向ける体勢は仏様に失礼にあたるので避けた方が良いとされています。

お仏壇を置くのは方角などが重要　

お仏壇を設置する際に気をつけなければいけないのが方角です。

お仏壇の正面が北を向くのはタブーとされています。

そのため、お仏壇が北を背にする南向きか、又は宗派によって異なるようですが日が昇る東向きが縁起が良いとする考え方や、極楽浄土がある西向きが良いという説があるようですが、北向きは除いて、それぞれの宗派が良いとする向きにお仏壇を設置します。

北向きに仏壇を置くのがよくないとされる理由は、曹洞宗や臨済宗などの中国の習わしに由来し、位の低い人は北を、釈迦など位の高い人物は南を向いて座る風習があったため、仏壇の配置もこれに習い、先祖を敬う意味で正面が南の方位を向くのがよいといわれています。

浄土真宗や天台宗などインド様式の場合は、日が昇る方位の東が立身出世の方角として縁起が良いとされており、また他の宗派では、極楽浄土がある西向きが良いとする考え方もあるようです。

お仏壇を設置するルールとしては、お仏壇と神棚を向かい合わせに置くと、片方を拝む際に、もう片方に対して、お尻をお向けてしまうことになるので、禁忌（きんき）とされています。

宗派によって仏壇の配置が決められていることもあるため、お仏壇を設置する前に確認しておいたほうがよいでしょう。

また、お仏壇はそれなりに重量があるので、床は仏壇の重量に耐えられる仕様にする必要があります。

お仏壇の重さは素材や大きさによって異なりますが、コンパクトなもので15kgほど、一般的なもので50〜70kg、大型のものになると100kg以上の仏壇もあります。

お仏壇は長期間にわたり同じ場所に設置するので、床などが仏壇の重量に耐えられないと、凹んでしまったりお仏壇が破損する恐れがあります。

これは注文住宅やリノベーション工事で新たに仏間をつくる場合にしか該当しませんが、重量のある大きなお仏壇を置く場合は、建築前の打ち合わせでその旨を伝え、そのお仏壇に適した仏間をつくってもらうようにしましょう。

また、お仏壇の多くは木製のため、部屋の温湿度管理も重要になります。

ジメジメした空間ではカビが発生する可能性もあります。

また、直射日光はお仏壇が日焼けしたり色あせの原因になるので注意しましょう。

ご先祖様を大切に想うことは非常に大切なことですが、狭い日本の住宅事情を考えると、大きなお仏壇はやっかいもの扱いされがちになってしまいます。

そのため最近ではお仏壇を処分する、いわゆる「仏壇じまい」も増加しています。

一方で、家具の上に置くタイプで非常にコンパクトな仏壇も販売されています。

お仏壇の「はせがわ」で、販売している「仏壇cobaco」は高さがわずか27cm奥行き17cm、長さが33cmと非常にコンパクタなお仏壇で、細かな彫刻も無いのでほこりがたまらずお手入れも楽なので、非常に好評のようです。

このように時代の変化と共にご先祖様への向き合い方もどんどん変化しています。