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固定金利は10年物国債の利回りの影響を受ける!

住宅ローンの固定金利は10年物国債利回りを「長期金利の指標」として利用してます。実はJ-REITの投資口価格も「10年物国債利回りプラス2%~3%」程度が投資利回りを判断する指標とされており、10年物国債利回りは、住宅ローンや中長期の投資標品に大きな影響を与えます。黒田日銀総裁が2013年4月4日に異次元の金融緩和(黒田バズーカ砲)を導入、2014年10月31日第二弾黒田バズーカ砲、そして最終切り札のマイナス金利の導入(2016年1月29日第三弾黒田バズーカ砲)が行われ、これを受けて当初の目標である短期金利だけマイナス水準にするつもりが長期金利(10年物国債利回り)までマイナス金利になってしまいました。この状態を修正するため「長短金利操作付き量的質的金融緩和」が導入されました。これにより10年物国債利回りは0%を超える利回りとなりましたが、米中貿易摩擦による景気減退感が出始め2019年8月にはマイナス0.28%まで低下しました。その後貿易摩擦が一旦収束してプラスに上昇し始めた矢先にコロナ不況に見舞われました。今回コロナ禍でじわじわ10年物国債利回りが上昇してるのは、日本の更なる財政悪化が懸念されており、更に、新型コロナの感染拡大がいつ収束するかわからない状況であり、既に国際社会から問題視されている日本の財政赤字が益々深刻化し、長期金利の上昇に圧力がかかった場合、コロナ禍での景気低迷により住宅ローンの返済に支障をきたす事例が多くなってくると、固定金利の住宅ローンの金利が上昇する可能性があるため今後の動向を注視しておく必要がありそうです。