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星のリゾートの経営戦略(その1)

いまや日本の旅館の再生請負人であり、新型コロナ対策でTVでも引っ張りだこの星野社長率いる星野リゾートは「星のや」「界」という独自の高価格帯の高級旅館を運営しています。富裕層は数千万円から数十億円といういわゆる別荘保有者を筆頭に、リゾートトラスト、東急リゾート等の1室を数十人で保有して利用する会員制リゾートホテル、そして高級旅館という順番でしたが、会員制リゾートホテルと高級旅館との間には大きな差がありました。会員制リゾートホテルは部屋のタイプによりますが数千万円する会員権を購入し、更に固都税と数十万円する年間維持費を支払い、利用時には1部屋1泊1万円から2万円程度の施設利用料がかかり、食事は別途、施設内か外で取ります。このため年間の維持費用だけで数十万円から百万円前後のコストがかかります。この層を満足させられる施設とサービスを提供すれば高級旅館の価格帯を別の次元にまで引き上げることが可能となります。この仕掛けが「星のや」と「界」にはちりばめらています。星野リゾートの代名詞である「星のや軽井沢」では何度も訪れる人には、チェックイン時に「お帰りなさい」という言葉から始まり、広いラウンジにはゆっくりくつろげるスペースと無料のワインやお茶、お茶菓子がおいてあります。またチェックアウトの時間にもゆとりがありますし、もちろんチェックイン時に早く行っても楽しめます。また四季に応じて屋台が出て和菓子や焼き芋等の提供、ルームサービスの充実、ゆっくりと散策できる敷地のレイアウトや施設外のトンボの湯やハルニレテラス(飲食店とお土産屋)、ピッコロ(夜はバーで冬はスケートリンク)が利用でき、無料送迎等、きめ細かなサービスも行っています。共用部のレイアウトと空気の流れも良く設計されており、忙しい時間を忘れさせてくれる演出が盛りだくさんです。では次回は運営手腕が公開されている「星のや軽井沢」のデータから星野リゾートの経営をひも解いてみます。

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