· 

バルコニーの有効通路幅は最低60㎝以上は確保しましょう!

谷区や世田谷区などを中心に首都圏で主に売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

今日はバルコニーの通路幅についてお話します。

消防法は人命を守るための法律です。

消防法は万一火事が起きた際や地震などの災害が発生した場合に人々の命や財産を守るために定められた法律で、

遡及性があります。

 

話が少しそれてしまいますが、新たに消防法が改正された場合にはその新しい法律を遵守する必要があります。

 

建築基準法には遡及性があないため、新耐震基準に適合していない建物は既存不適格物件と言われ新耐震基準を満たしていなくても法律違反にはなりません。

 

一方、消防法は新たな基準を満たしていないと指導や改善命令を受けることになります。

避難用通路として使用するバルコニーの幅は120㎝以上が必要

マンションの場合、消防法や建築基準法で避難経路は2方向を確保することが必要と定められています。

 

他に、バルコニーを避難通路として利用する場合にはバルコニーの奥行きは120㎝以上確保することが必要とされています。但し、写真のように室外機が置かれている場合もあり、実際には75cm以上(最低でも人が支障なく通れるとされる60cm以上)は確保した方が良いでしょう。また、隣接する住戸の間にあるベランダ間仕切りの周辺に避難上支障となる物品を置かない、避難ハッチの上に物品を置いたり、タイルをひき詰めたりしないよう注意しましょう。

消防法に抵触する具体例

具体的な例としては、コンパクトタイプのマンションのべランダでエアコンの室外機を壁に沿って平行に設置するのではなく、壁に対して垂直に設置し、バルコニーとの有効幅が基準に満たしていない設置方法です。

 

エアコン設置業者は、マンションにおける消防法上の決まりを知っているはずですが、中には間仕切り壁を塞ぐ設置がなされている場合もあります。

 

上記の写真ではエアコンの室外機が置かれていても有効幅の基準は十分に満たされていますが、間仕切り壁部分に段ボールが放置されていますのであまり良い状態とは言えません。

 

また消防法とは異なりますが、この部屋のベランダにはタイルが敷かれいます。

 

これは直ぐに取り外されるタイプなので問題ありませんが、固定してはいけません。ベランダは共有部分であり、

あくまでも専用使用権があるだけだからです。

 

余談ですが、一定の広さのあるバルコニーにタイルを敷き詰めた場合に、大規模修繕工事の際は取り外す必要があり、

置き場所に困ってしまう場合がありますので、バルコニーにタイル等を敷き詰める場合には、それらも考慮に入れて設置しましょう。

 

※気になるマンションの評価をご自身で調べることが可能です。 

 無料のマンションデータベースはこちらから


コメントをお書きください

コメント: 8
  • #1

    ウソばっかり (水曜日, 31 3月 2021 12:17)

    消防法の条文、何条かを示して欲しいものです。

  • #2

    ウソばっかり様 (水曜日, 31 3月 2021 13:09)

    コメントを頂きありがとうございます。建築関係の講義で1級建築士の先生に教わったものを記載させて頂いたのですが、再度確認させて頂きます。それまでは本ブロクは非公開にさせて頂きます。ご指摘頂きましてありがとうございます。

  • #3

    ウソばっかり様 (水曜日, 31 3月 2021 14:28)

    お世話になります。他の1級建築士にも確認を取らせて頂きました。バルコニーを避難通路とする場合は最低有効幅は基本は120cm以上、場合により75cm以上が必要とのことですのでお詫びして訂正させて頂きます。建物としては規定を守っていたとしても、実際に物品等が置かれている場合には、消防から指導を受ける場合があるので、最低でも人が通れる幅である60cm以上は常に確保しておいた方が良いとのコメントを頂きましたので、内容を一部訂正させて頂きました。
    また何かございましたらご指摘よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

  • #4

    ウソばっかり様 (水曜日, 07 4月 2021 16:12)

    追記させて頂きます。マンションリノベーション実践知識という本がハウジングエージェンシーから出版されており、同時にマンションリノベーションアドバイザーという民間資格もございます。こちらの本の内容がバルコニーの有効通路幅が消防法上で決められていると誤認を与える表現となっており、改訂の際に内容を改めるとのことで、直接著者の1級建築士よりご連絡頂いております。バルコニーの2方向通路を確保するための隔て板や避難ハッチの寸法が60cm以上となっていることや消防法第7条(消防同意)の中で建物を建築する際の基準ではなく、実際に通行をできる有効幅員を60cm以上にしなさいという指導があるのは事実ですが、法で明確に60cm以上と規定されている訳ではありません。そのため誤認を与えかねない表現は訂正させて頂くとのことです。私も含めて良い機会となりました。ありがとうございます。

  • #5

    カレー大好き (火曜日, 30 11月 2021 20:05)

    横槍でコメントさせて頂きます。

    消防法自体で定められているのは、避難器具を設置しなければならない場合と、規模による個数だけで、ベランダの寸法に関する規定は無いと思います。

    昭和五十三年三月十三日消防庁告示第一号で、避難はしごの技術基準は定められていますが、これは避難はしごなど自体の、材質や寸法の規定であって、(当該告示、第7-1-8-ロ において、高さ4mを超えるタラップは4mごとに踊り場を設ける事とし、踊場の踏幅は一・二メートル以上である事とあるので、連続する上階から見て下階を踊り場と解すれば1.2mの幅がいる事になるが)バルコニーの寸法は定めていないと思われます。

    バルコニー自体の寸法に関しては、建築基準法に規定される「避難上有効なバルコニー」だと思いますが、これも直接基準法では寸法の要件を明記している訳では無く、「避難上有効なバルコニー」と言う用語が、基準法のあちこちに出て来るだけだと思います。

    建築基準法上にある「避難上有効なバルコニー」とは何かは、各地方自治体が定める事になっており、一つの基準として、日本建築行政会議発行の「建築物の防火避難規定の解説」があり、この中に

    ① バルコニーの位置は、直通階段の位置とおおむね対称の位置とし、かつ、その階の各部分と容易に連絡するものとすること。
    ② バルコニーは、その1以上の側面が道路等又は幅員75㎝以上の敷地内の通路に面し、かつタラップその他の避難上有効な手段により道路等に安全に避難できる設備を有すること。
    ③ バルコニーの面積は、2㎡以上(当該バルコニーから安全に避難する設備の部分を除く。)とし奥行きの寸法は75㎝以上とすること。
    ④ バルコニー(共同住宅の住戸等に附属するものを除く。)の各部分から2m以内にある当該建築物の外壁は耐火構造(準耐火建築物にあっては準耐火構造)とし、その部分に開口部がある場合は、特定防火設備又は両面20分の防火設備を設けること。
    ⑤ 屋内からバルコニーに通ずる出入口の戸の幅は75㎝以上、高さは180cm以上及び下端の床面からの高さは15㎝以下とすること。
    ⑥ バルコニーは十分外気に開放されていること。
    ⑦ バルコニーの床は耐火構造、準耐火構造その他これらと同等以上の耐火性能を有するものとし、かつ、構造耐力上安全なものとすること。

    と、定められています。

    したがって、上記の③において、定められた75㎝(この場合は有効幅なので、室外機等移動できない設備がある場合、これを除いて通行できる幅である必要があります)と言うのが、法的な意味合いでの唯一の基準ではないかと思います。

  • #6

    カレー大好き様 (金曜日, 03 12月 2021 14:44)

    お世話になります。コメントを頂きましてありがとうございます。今回の件で、ヒアリングや再調査をしており、返信が遅くなりました。申し訳ございません。

    関係法令をいろいろ調べたところ、令和2年10月1日施行の東京都安全条例第19条第1項第3号に対する参考として「東京都建築安全条例第19条の運用の明確化について(技術的助言)」が公表されています。

    その中で「バルコニーの大きさは、有効寸法で奥行き75cm以上、かつ、幅150cm以上とすること」との記載があり、既にご指摘頂いている有効寸法が75cm以上必要である旨は明確になっており、疑いの余地は無いと感じますが、参考図には住戸等とされた図が記載され、その壁面からの距離が記載されています。また隔て板は幅60cm程度を確保することとの記載があり、この参考図は、あくまでも新築を建てた際の竣工検査を想定するような図となっています。

    追記等で既に述べさせて頂いておりますが、法律上の定めとしては75cm以上確保ですが、火災等があった際に実際に逃げるのに必要なバルコニーの幅については、法令違反うんぬんというお話は一旦除いて、実務上60cm以上は最低限確保する。という感じではないか?と個人的に思っております。

    当然、法令順守はいまや必然の時代となっておりますが、不動産業を営んで、日々現場を見ていると、不用品が山積みになっていたり、植木鉢や物置等の設置により、75cm以上どころか60cmも有効寸法面積が確保されていない住戸が実際にあるという現実があります。

    その中で実際に火災が発生した際に人命を守り、かつ、実際の生活における許容限度との妥協点は「バルコニーの有効幅は60cm以上は確保しておきましょう。」というのがひとつの落としどころではないか?と感じています。

    文面から拝見したところ、皆様、消防に絡んだお仕事をされていると感じております。特に行政側の立場であったり、設計者であれば、譲れない内容かもしれず、更に消防法を強調したブログの掲載内容であったため、いろいろご指摘を頂いていると感じております。

    本ブロクの記載内容が皆様の投稿により、より充実されたと感じております。

    ありがとうございます。


  • #7

    あん (水曜日, 11 5月 2022 15:35)

    そもそも
    URの場合、
    ベランダに洗濯機を置く配置になっており、
    設計事態が消防法に適ってない為、
    違法建築という事になるのではないでしょうか?


  • #8

    ブログ記事投稿者 (水曜日, 11 5月 2022 17:05)

    あん様

    お世話になります。コメントを頂きありがとうございます。URについて詳細わかりませんので設計仕様書などのご提示頂ければ確認させて頂きます。
    お手数をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。