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65歳以上は足場に上れない??

渋谷区を中心に中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

今日は、65歳以上になると建設現場の足場に上がることは出来ない??という噂についてお話したいと思います。

建設現場の足場
建設現場の足場

高所作業の法律による年齢の上限はない?? 

ここ1年から2年の間に、私が以前働いていたゼネコンの先輩(69歳)や建設関係の人(65歳)から、建築現場で足場に上るには年齢制限があるので、会社から禁止されているとか、発注者から現場監督で足場にのってはダメと言われた。

 

という話を良く聞くようになりました。50歳以上の方の高所作業での事故が多いのが理由との事でしたが、いろいろ法律を調べたのですが、どこにも載っていません。

 

わからないことは役所に聞くのが一番なので渋谷の労働委基準監督署の安全衛生課に法律で「高所作業における年齢の上限はあるのか」を聞いてみました。

 

その結果、法的な年齢制限の上限は無いとの回答が返ってきました。

 

そのような年齢による差別的な制限はありません。とのことでした。但し、高齢者は体力や判断能力が若い人と比べて衰えていることは事実なので適正配置という考え方に基づいて各企業によって制限を設けているところがあるのでは?とのことでした。

 

 

ちなみに上限は無くても年齢の下限は決められており18歳以上でないと高所作業はできません。

労働基準法第62条による18歳未満の労働制限 

労働基準法では、児童の健康及び福祉の確保等の観点から、原則として満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童を労働者として使用することを禁止しています。

 

また、18歳未満の年少者についても同様の観点から、その就業に様々な制限を設けて保護を図っています。

 

労働基準法第62条の危険有害業務の就業制限又は禁止の例示として、「足場の組立等の業務」「高さが5m以上で墜落のおそれのある場所における業務」「重量物の取扱い業務」等が掲げられています。

 

そのため、実質的に足場作業は禁止業務となります。

 

私が高校生のとき高田馬場駅近くの公園で日雇労働者として、働いたときに、確か18歳以上か?と聞かれたことを思い出しました。

 

また余談ですが、重量物の制限で断続作業の場合30㎏、継続作業の場合は20㎏が重量制限となっていますが、業務用のセメント系の袋の多くが25㎏というのも何か関係があるのかも知れないと考えてしまいました。

高所作業の関係法令がの改訂が2019年2月1日に施行

高所作業における年齢制限の上限に関する法律は定められていないことがわかりましたが、厚生労働省は、高所作業での墜落労働災害の防止を目的に、労働安全衛生法の施工令および労働安全衛生規則の一部を改正する政省令を2018年6月8日、それに伴い「墜落制止器具の安全な使用に関するガイドライン」を2018年6月19日に発表しました。

 

実際に法律が施行されたのは2019年2月1日です。

 

この改正は高さが2m以上の高所作業に従事する場合に作業員が使用する命綱の役割を果たす安全帯を「墜落制止用器具」と名称を改め、従来の安全帯よりも安全性の高いフルハーネス型と呼ばれる墜落制止用器具を使うように定めています。

 

背景には今まで使用されていた安全帯を着用していても、実際に落下した場合、本来命を助ける役割を果たす安全帯が、落下時の衝撃で内蔵等を圧迫し、救助されるまでに時間がかかったケースでは死亡例もあったからです。

 

私も安全帯をつけて高所作業を幾度となく経験していますが、落下した場合、どうやって助けてもらうのか?また、腰骨のところで装着していましたが、落下時の衝撃で安全帯がずれて腹部を圧迫されるのでは?と感じたことがありました。

 

但し、高さがあまりなく、墜落時にフルハーネス型の墜落制止器具を着用した者が地面に到着してしまう場合には、1本吊り型胴ベルトの使用を認めています。

 

フルハーネス型の墜落制止器具を用いて作業を行う場合には、「墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業の業務に係る特別教育(フルハーネス型安全帯使用作業時特別教育)」の講習を受ける必要があります。

 

なお、現在使用している安全帯は、改正前の基準に適合していれば2022年1月1日まで使用可能となっています。

 

この法改正により、フルハーネス型墜落制止器具の原則使用とそのための特別教育の実施が義務化されたことに加え、働き方改革や高齢者の活用等や安全対策に対する企業の教育徹底が重なったこ等により、独自の年齢制限を設ける企業が増えたこと等が要因となって、「65歳以上の高齢者が足場作業は法律で禁止」といった誤った情報になってしまったのではないでしょうか?