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駐車場を借りるときの注意点

渋谷区を中心に中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

今日は月極駐車場の賃貸借契約についてお話したいと思います。

駐車場の賃貸借契約は宅建業法外! 

宅建業法は宅地及び建物に関して定めた法律のため、宅地では無い土地に関する取引は宅建業法外となります。

 

宅地建物取引業法第2条(用語の定義)では宅地とは建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法第8条の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他法令で定める公共の用に供する施設の用に供せられる以外のものを含む。とされています。

 

そのため、駐車場の賃貸借契約は宅建業法外の取引となります。但し、将来その土地を建物の用に供するために取引を行う場合には宅建業法上の取引に該当するため注意が必要です。

駐車場の賃貸借契約契約書への印紙の添付は不要! 

土地又は地上権の賃貸借契約書は印紙税の課税対象となりますが、建物や施設、物品などの賃貸借契約は、印紙税の課税対象にはなりません。

 

以下に駐車場の賃貸借契約のパターン毎に説明したいと思います。

◆単なる土地の駐車場  アスファルトも砂利引きもせず、区画割もしていない土地(いわゆる更地)は土地の賃貸借契 

            約書に該当し、印紙税の課税対象となります。

◆車庫を賃貸借する場合 車庫という施設の賃貸借契約なので印紙税の課税対象になりません。

◆区画割りされた駐車場 駐車場という施設の賃貸借契約書なので課税対象になりません。

◆車の寄託(保管)契約 車という物品を預かる寄託契約書なので印紙税の課税対象になりません。

 

但し、借りた土地(更地等)を借主が整備して駐車場として利用している場合等は「土地の賃貸借契約」となるため、印紙税の課税対象となります。

敷金や保証金に消費税はかかる?? 

土地の譲渡や貸付けは消費税の対象とならない非課税取引となりますが、土地の貸付けのうち、貸付けに係る期間が1ヶ月に満たない場合及び駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税になりません。

 

事務所などの建物(施設)を貸し付ける場合の家賃も課税対象となります。この場合、家賃を土地と建物に区分している場合でも、その総額が建物の貸付けの対価として取り扱われます。

 

話は少し脱線しますが、住宅用としての建物の貸付けは、1ヶ月に満たない場合等を除き非課税となります。

 

地上権、土地の賃貸借の設定に伴い授受される更新料や名義換料は、土地の貸付け又は土地の上に存ずる権利の設定の対価のため非課税となります。

 

事業用の建物や施設(駐車場等)の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金又は更新料などのうち、返還しないものは権利の設定の対価になるため、資産の譲渡等の対価として課税の対象となります。

 

同時に、契約の終了により返還される保証金や敷金は、資産の譲渡等の対価に該当しないため課税の対象になりません。

 

但し、住宅用建物の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金又は更新料などのうち、返還しないものは非課税となります。

 

国税庁 タックスアンサーNo6225及びNo7107参照

 

最後になりますが、駐車場の月極契約を行う際に、不動産会社によって対応が異なります。

 

宅建業法外の取引とはいえ、他に同じ地主様からアパートなどの管理を行っていることが多い元付業者(駐車場を管理している会社)は契約書に宅建業法上の業者情報を記載のうえ、宅地建物取引士の印を押す場合が多いのですが、客付会社の方は宅建業法上の業者情報の記載と捺印を拒む会社も相当数あります。

 

理由は宅建業法に準じた契約となると、月額賃料の半分しか報酬を得ることが出来ないためです。月極駐車場は単価が安いので、他の名目も含めて借主からのより多くの報酬を得たいからです。

 

法律の上では業者情報の記載及び捺印を拒む会社の言い分が正しいのですが、弊社はそれでも不動産を扱うプロとして、業者情報の記載と捺印をするという方式で業務を行っています。