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マンション管理適正化診断サービス

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

マンション管理適正化診断サービスは、マンション管理組合における管理の状況が国土交通省の示すマンション管理適正化指針の内容にそって適切かどうか、管理組合が準備した書面や、管理組合関係者からのヒアリングを通して診断する制度です。

 

一般社団法人日本マンション管理士連合会(以下「日管連」といいます)が、マンションの管理組合に、所定の診断業務研修プログラムを修了した診断マンション管理士を派遣し、管理運営状況、修繕計画状況、法定点検・修繕工事のほか、防犯対策、防火管理、保険事故履歴などマンションの管理状況全般を対象に、目視・書類チェック・ヒヤリングを行い、診断結果やアドバイスを記載した診断レポートを提供します。

 

この診断レポートは、マンション管理組合が建物設備や運営等の管理水準の維持・向上を図るための基礎資料として活用できます。

 

メリット1

「マンション共用部分診断レポート」の結果により、日新火災海上保険株式会社のマンション共用部分用火災保険において割引適用制度を利用することが可能です。

 

なお、日新火災海上保険株式会社のマンション共用部分用火災保険の加入につきましては、保険会社及び保険代理店経由となるので、診断マンション管理士は関与しません。

 

診断レポートの結果は診断結果に応じて「S ・A ・B」の評価付けを行い、S評価となったマンションは、日管連よりマンション管理組合に対して、管理運営状況が優良であることを証するS評価ステッカーを発行しています。

 

メリット2 

管理状況が良好な物件(S評価またはA評価物件)については、マンション管理組合の承諾の上、日管連のホームページと不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」に診断結果を掲載します。

 

これにより、区分所有者が専有部分を売却する場合において、不動産・住宅情報サイトに売主の専有部分の物件情報だけでなく、共用部分の管理状況を掲載することにより、マンションの管理状況が良好であることが示され、売主の売りやすさにつながり、物件の買主(予定者)にとっても購入時の1つの判断指標と評価される事項となります。

 

日管連のホームページでは管理状況が良好な物件の一覧を公表しており、2025年1月4日時点で全国で7,731件のマンションが登録されています。

 

メリット3 

2022年4月1日にマンションの管理の適正化の推進に関する法律が改正公布され、地方公共団体が、管轄内のマンションの管理者等から申請があったマンションの管理や修繕が国の基準を満たしているかを認定する制度であるマンション管理計画認定制度に準拠した診断基準としているため、マンション管理組合が、マンション管理適正化診断サービスを申し込む際に、マンション管理計画認定制度への申請(公益財団法人マンション管理センターの手続支援サービスの申請)もワンストップで行えるようになっています。 

 

下記の図は管理計画認定制度への申請パターンを示した図です。

 

パターン③がメリット3の申請方法になります。

出所 公益財団法人マンション管理センター
出所 公益財団法人マンション管理センター

一般社団法人日本マンション管理士連合会(日管連) 

一般社団法人日本マンション管理士連合会は国家資格であるマンション管理士における全国組織で2007年(平成19年)12月に発足しています。

 

日管連は、会員会(各都道府県のマンション管理士会)の連絡調整のほか、国及び関係団体との連携、協力などにより、会員会の活動を支援し、マンション管理士支援制度の普及、周知を通じてマンション管理の適正化に資することを目的とした組織で、認定マンション管理士という制度を独自で設けています。

 

この認定マンション管理士は、マンション管理に関する専門知識を有しており、外部管理者方式(第三者管理方式)で、理事長や役員に就任することができます。

 

マンション管理士による外部管理者方式(第三者管理方式)を採用した場合は以下のようなメリットがあるとしています。

1.管理組合の運営に必要な専門知識を有しており、適切な管理組合運営が期待できる。

2.理事会の運営に必要な時間や労力の削減。

3.理事会の運営に必要な人材が不足している場合、マンション管理士が理事長や役員に就任することにより、理事会の運 

  営が円滑に進む可能性が期待できる。

 

更に、また、マンションの管理会社とは別に、外部管理方式を使うメリットとして、利益相反行為を防ぐことが可能としています。 

 

マンションの管理会社が行っている業務は、管理員の派遣や清掃作業、出納会計などの事務管理、各種設備の保守点検、将来に向けた大規模修繕の計画提案まで、多岐にわたる一方で、その分、自社の都合や利益につながるように素人である理事会や役員を誘導させることも可能です。

 

例えば、マンション管理会社の利益相反行為としては、管理会社が自社や関連会社で工事を受注する場合、その工事が必要かどうか、また、その工事の費用が適正かどうかを判断する立場にある管理会社が、自社やで工事を受注することなどを挙げています。

 

管理会社の協力無くしてマンションを運営していくことは困難なので、敵対的な発言はしていませんが、自社の売上が足りない際に、必要の無い修繕工事を行う、自社の工事部隊を使い、相場よりも高い工事費で発注させる、維持管理業務に不当な利益を上乗せするなどは、実際に起こっていることであり、認定マンション管理士にも同様にバックマージンを受け取るリスクがあるとして、倫理規定や管理組合損害補償金給付制度などを設けています。