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住宅購入は不安だらけ??

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

  

都心部の新築マンションの1億円越えだけでなく、中古マンションまで1億円超えの状態となり、物価高に続き、住宅ローンの金利も上昇し、マイホームを購入したい方にとっては不安がとても多くなってる状況となっています。

 

また、メガバンクの行員による貸金庫内の盗難、大手証券会社の社員による顧客への強盗、大手警備会社の社員による現金着服、少し前になりますが、中古車販売業者の不祥事など、いろいろな業種で多くの不祥事が発生しています。

 

このような不祥事が発生すると真っ先に槍玉に上がるのが不動産業界です。

 

多くの不動産会社が真面目にやっている一方で、小説や漫画などで題材になるほど「お行儀の良くない業界」という認識が世間一般に広がっているため、一般の方からみると「本当にこの不動産会社は信用できるの?」「業界自体が怪しい?」的に、いたずらに不信感を募らせてしまう状況になっています。

 

また住宅ローン減税の制度が省エネ住宅向けに、大幅に変更するなどわかりにくい制度変更なども加わり、その結果、「金利が上がるかもしれない」「物件価格が高騰している」「事業者が不安」「そもそも物件が大丈夫か不安」といったような不安にかられ、検討以前に「今マイホームを買うべきかどうか?」という判断からも逃げてしまう選択をされる方も出てきます。

 

マイホーム購入に限ったことではありませんが、様々な問題が顕在化している場合は、問題とひとつづつ正面から向き合うことで冷静な判断ができるようになります。 

まずは物件よりも不動産会社選びから 

不動産購入にまつわる不安を解消する最もわかりやすい対策が「不動産会社選び」です。

 

最初に不動産の購入を検討する際に、まずポータルサイトから物件探しを行うことが、定番となっており、不動産会社は物件の単なる窓口と認識している方が多いのが実情となっています。

 

でも実際のところ、基本的に広告などを掲載している不動産会社以外でも不動産の取引は可能です。

 

言い換えると不動産会社はどの物件でも取り扱いが可能とも言えます。

 

もちろん例外はあり、新築マンションはその良い例です。

 

デベロッパーは多額の広告費を出して売り出しを行い、基本販社と言われる新築マンションの販売に特化した不動産会社等に販売を一任するので、それ以外の不動産会社は物件の取り扱いができません。

 

また、再販買取会社(主に中古マンションを安く仕入れてリノベーションを行い付加価値をつけて販売する不動産会社)が売主の場合は、仲介手数料が不要なのでお得と記載している売主もいますが、そもそも売主は物件に自社の利益をしっかりとのせたうえで販売をしているので、売主がお客様から別途仲介手数料をもらうこと自体、宅建業法で禁止されています。

 

物は言いようで法律で禁止されている仲介手数料を「無料なのでお得です」という表現でアピールすること自体がいかがなものかと思いますが、この表現は違法ではありません。

 

不動産購入は単なるショッピングではないので、取引のプロセスにおいて不動産会社に対応を依頼しなければならない場面がたくさん出てきます。

 

不動産会社は不動産取引のプロであり、また、住宅購入に関係する住宅ローンや中古住宅のインスペクション、リフォームなどの業務の窓口としての機能も求められています。

 

不動産購入に不安を感じるということは、その不安を払拭する材料を提供する不動産会社に出会えていないということになります。

 

冒頭に申し上げたように、社会情勢が不安定な時期は、様々な不安要素が顕在化します。

 

そのような時期だからこそ、安心安全な取引を実現するパートナー選びが最も重要と言えます。

 

不動産会社選びと言っても何を基準に判断すればよいかわからないと思われる方がいらっしゃると思います。

 

売り出されている物件は基本的にどの不動産事業者でも取り扱いが可能なので、この事業者でなければならないという理由はあまりありません。

 

窓口として対応している不動産会社のスタッフの言動や、こちらの疑問に対する回答などから、この会社に任せてよいか?というのはおおよその判断がつくかと思います。

 

不動産会社に問い合わせをすると物件を売りつけられるとお考えになり、不動産会社にアクセスすることをためらう人が少なからずいらっしゃいますが、これは全く逆の判断で、特に物件探しの初期段階は物件情報以外にも多くの情報(エリアの相場、購入の流れ、良い物件の選び方、住宅ローンの選び方、自分に合った返済計画など)が必要となるため、なるべくたくさんの不動産会社にアクセスして、ご自身が感じている不安を不動産会社に投げかけることが大切です。

  

そうしているうちに親身になって対応してもらえる担当者と出会うことができますので、信頼できるパートナーと一緒に物件探しを行えば良いと思います。

 

また、これも皆さん知らないことが多いのですが、ポータルサイトに物件の紹介をできるのは売主から売却を依頼された不動産仲介会社か売主である不動産会社のいすれかになります。

 

端的に言えば、ポータルサイトに掲載している不動産会社は、掲載している物件を最優先に売却活動を行うので、購入者サイドの視点に欠けています。

 

もちろん、売主、又は売主側の不動産仲介会社であっても、物件が売れないことには話になりませんが、問い合わせをした方は、売り手側のエージェントに購入の申し込みを行うことになるので、基本問い合わせのあった物件の売却を第一優先に提案されるため、真に買い手側の立場にたってはくれない場合が往々にあります。

 

一方で、購入者側にたったエージェントを利用すれば、様々な物件の良し悪しを客観的な立場で判断して、お客様にとってより良い物件を勧めてくれます。

 

気になった物件毎に、その都度不動産会社に連絡を取り、その都度物件案内の担当者が変わるより、一緒になって何件も物件を案内するバイヤーズエージェントの方が、お客様の好みなどをより正確に把握し、適切なアドバイスをしてくれる可能性が高いと言えます。

物件価格や金利に対する不安について 

金利の上昇に対する不安や物件価格の高騰など、住宅購入にまつわるお金の不安に、実は答えはありません。

 

誰も将来のことを正確に予想することはできませんし、不動産会社は、この物件は将来価格が上がるので買った方が良いですよというような、将来の不確定要素を消費者へPRなどに利用することが自体が宅建業法で禁止されています。

 

お金に関する不安を解消するには、多くの方の意見を聞いたり、ニュースや経済情報誌などを読んで自分なりの判断をするしかありません。

 

私の個人的な意見としては、住宅購入の判断は、なるべくコンサバに判断した方が良いと考えます。

 

実は、お金に関する不安は「高いものを買わされた」というよりも、将来困った時に「売れなかったらどうしよう」という不安の方が強い傾向にあります。

 

そのため、なるべく価格が落ちにくく、スムーズに売却ができる可能性が高い物件を選ぶことをお勧めします。

 

その物件が将来的に価格が落ちないと断定することはできませんが、不動産の価値は多くの場合ほ立地がとても重要になります。

 

マンションであれば、駅近、眺望、日当たり、総戸数40戸以上、管理体制が良好などの条件が揃えば、価格が落ちにくく、早期に売却が期待できる物件と判断できるかもしれません。

 

住宅購入の条件によって購入したい物件の判断がだいぶ変わりますが、なるべく価格が落ちにくく、売却が容易な物件(すなわち多くの人が良いと思う物件)を購入したいという意思を不動産会社に伝えることをお勧めします。

 

立地を第一優先するということは、生活の利便性や居住満足度にある程度妥協するという判断も場合によっては必要になるかもしれません。

 

文字にすると簡単なようですが、かなり難しい判断になりますので、信頼できるパートナーとよく相談して物件選びをすることをお勧めします。

自己責任をなるべく回避する?? 

住宅の購入は、最終的には自己責任です。

 

私達不動産会社はお客様のご希望に沿った物件が購入できるように最善を務めますが、あくまでも、客観的な資料の提出や価格の妥当性の判断に必要な資料の提出、そして助言の範囲内での物件購入のお手伝いをすることしか出来ず、お客様に代わって物件購入の決定をすることは出来ません。

 

そのため、特に中古住宅を購入する場合は、「中古であるから悪いところがあって当たり前」が前提の取引となるため、何かあったら困るのは自分だということで、何とも言えない不安を感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

 

住宅購入はご自身の判断によって行うものなので、責任から逃れることはできませんが、それでも万が一の場合に、リクヘッジの手段はとっておきたいものです。

 

このリスクヘッジの手段のひとつとして、例えばインスペクションの制度を活用して、建築士に依頼して建物調査を行うという方法があります。

 

これにより、引き渡し後に何か問題があった場合、インスペクションで見落としがあった可能性について調査を行った建築士を巻き込むことができます。

 

また、既存住宅売買瑕疵保険という制度は構造躯体・雨水の侵入に対して最長5年、最大1,000万円の保証が付く制度ですが、瑕疵保険の検査基準に合格しないと、そもそも加入できない制度です。

 

つまり、第3者による瑕疵保険の検査が行われることにより、万が一の場合でも保険で修繕費用が補える可能性があり、何より、瑕疵保険に加入した場合は、瑕疵保険の手続きを行った事業者や瑕疵保険法人も巻き込んでトラブルに対処できることになります。

 

何もない状態だと購入者と不動産会社とのやり取りのみになりますが、万が一の時に相談できる先が増えるという点でも瑕疵保険はお勧めです。

 

リフォームも同様で、リフォームにも瑕疵保険があります(売買瑕疵保険とセットの商品もあります)ので、単にリフォーム会社に頼むだけでなく、第3者が関与する制度を絡めることで、万が一のトラブルの際にも対応しやすくなり、何より第3者の存在から、リフォーム会社もきちんと業務を行わなければならない立場になります。

 

戸建て住宅を検討する場合は特に耐震性が気になると思います。

 

耐震性については、国が定めた基準や診断方法が存在するので、国が定めた基準をクリアすればひと先ず安心できます。

 

もちろん国の基準をクリアしていれば絶対に倒壊しないと言う保証はどこにもないですが、だからと言って耐震診断すら行わない状態で購入するよりは、遥かに安全側の判断を行ったと言えます。

 

住宅ローンについても、政府系金融機関である住宅金融支援機構のフラット35は、万が一返済に困った場合の相談窓口や、手続き方法などを公開しています。

 

民間金融機関が全く支援しないという訳ではないのですが、住宅金融支援機構のように公開された情報があるわけではありません。

 

フラット35は、民間金融機関の提供する変動金利と比較するとかなり金利は高めですが、借り入れ時の金利が最後まで続き毎月の返済額が変わらないことが最大の特徴の住宅ローンですが、万が一の場合の対策でも、他の金融機関よりも安心な住宅ローンと言えます。

 

このように住宅購入にまつわる各種支援制度を絡めることで万が一に備えることができます。

  

判断材料がないと結局高いか安いかでしか判断できなくなってしまいます。

 

信頼のおける不動産仲介会社に依頼することにより、住宅購入にまつわる不安を、ある程度取り除くことも可能となったり、このような制度の情報も得ることができます。

 

自分たちが欲しいエリアなどに、どのような物件があるか事前に見てみることは、とても重要ですが、実際に物件探しに本腰を入れる際には、まず信頼できる不動産会社探しを行うことをお勧めいたします。