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子育てしやすい家

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

  

育児と家事をこなしながら暮らすことはとても大変なことです。

 

今回は赤ちゃんから小学校に入学する前の未就園児と小学校低学年までのお子様がいらっしゃるご家庭を想定して、子育てしやすい住まいのポイントをいくつかご紹介しますので、注文住宅、リノベーション又はリフォーム時、家を購入する際のポイントにして頂ければと思います。

 

◆家事動線を考える

リビングからキッチンや洗面所などの水回りの設備へのアクセスがしやすいと、お子様の世話と同時に料理がしやすくなります。

 

キッチン、洗濯機置き場、お風呂場などが近接していれば、同時並行で家事をしやすいです。

 

使いやすさで言えば回廊型住宅と呼ばれるタイプで、行き止まりになる部屋がなく、家の中をくるくると回れる造りの間取りの家が理想です。

 

そしてカウンターキッチンやアイランドキッチンであれば、料理をしながら、リビングのお子様の様子がしっかり見え理想的です。

 

但し、活発なお子様がいる場合には、火元や包丁などに近づけないように、アイランドキッチンの場合は厳しいかもしれませんが、場合によっては、キッチンにお子様の侵入を防ぐベビーゲートを設置する必要があるかもしれません。

 

◆片づけやすい場所に収納を設置する

収納スペースは、片付けがしやすい場所に設置することをお勧めします。

 

小さなお子様が遊ぶ確率が高いリビングでは、収納スペースをなるべく多く確保することで、お子様と一緒に遊びながら片付けすることも可能ですし、収納も楽になります。

 

お子様がまだ小さければ子供部屋があっても、小さいお子様が子供部屋にいることはほとんどなく、子どもと多く過ごすリビングなどに収納スペースをつくり、よく遊ぶおもちゃなどをしまうことがポイントです。

 

また、高い所にばかり収納スペースを作ってしまうと、お子様自身で片付けができないので、なるべくお子様の手の届く範囲内に収納スペースを設置することも重要です。

 

◆玄関は広い方が良い

赤ちゃんがいるご家庭の場合、ベビーカーの設置場所を玄関に設ける必要があります。

 

玄関が狭いとベビーカーが入らない上、靴を置くスペースも限られてしまいます。

 

また、両手に荷物と赤ちゃんを抱えて帰宅した場合、玄関スペースは広い方が動作が楽になります。

 

子供が大きくなると三輪車、ストライダー、ブレイブボードなど玄関に置く物が増えますし、傘の収納も意外と場所をとってしまいます。

 

マンションであれば、玄関ポーチがあれば理想的です。

 

マンションの場合、玄関ポーチには共有廊下との間に門扉が付いてるので、このスペ-スに子供の外遊び用の遊具や傘立てを置くことも可能です。

 

キャンプを趣味とする方はキャンプ用品の置き場所も考える必要がありますが、トランクルームなどがあれば収納場所としては最適です。

 

玄関は、出入りする場所としてはトイレと同様、最も使用頻度が高いエリアであり、かつ、家の顔とも言える場所なので、スペ-スが広い方がよく、整理整頓し、感染症のもとになるウイルスが家に侵入する最初の場所なので清潔に保つことも重要です。

 

◆家族構成の変化で間仕切壁を有効活用する

現在、必要な部屋数はもちろん、将来的に子どもの成長と共に個室が必要になる反面、将来子どもが独立した際には、今度は子供部屋が余ってしまうので、最初はリビングを広くしておき、個室が必要になったら間仕切りを工夫して個室を作るとう手法がスタンダードです。

 

その際には予め壁に下地補強をしておかないと扉をつける際に大掛かりなリフォーム工事が必要になってしまいます。

 

マンションであれば、十数年前から多くの物件で移動式のパーテーション(スライディングウォール)が採用されていますので、リビングと部屋を仕切ることができるスライディングウォールが設置されたマンションを選ぶ方が良いと思います。

 

スライディングウォールには様々なタイプがあり、半透明の材質から、扉のようなタイプ、上吊りタイプや敷居(しきい)タイプなどがあります。

 

敷居タイプですと掃除が手間ですが、防音性や密閉性を重視するのであればしっかりした敷居タイプをお勧めします。

 

◆戸建であれば1階だけでも生活できる間取りにする

お子様が小さい間は、1階だけで生活できるような住まいづくり、若しくは、生活をすることをお勧めいたします。

 

2階に水回りやキッチンなどのスペースを設けてしまうと、高齢者・小さい子どもの上り下りが大変ですし、滑りやすい靴下や脱げやすいスリッパを履いたままで、子供を抱っこして、階段を上り下りするのは危険です。

 

2階は子ども部屋や夫婦の寝室にしておくと子どもの独立後、子ども部屋は倉庫や客間、趣味のための部屋として活用できます。

 

◆ユニバーサルデザイン又はバリアフリー化

段差を少なくしたり廊下を広くしたりして障害を取り除くことがバリアフリーなので、リフォームの場合はバリアフリー化を進めた家づくりを行い、新築やリノベ済物件であればユニバーサルデザインのお部屋が良いです。

 

ユニバーサルデザインとは誰もが使いやすいように設計されたものを言います。

 

お風呂・トイレを広めにすれば、子どもの世話がしやすく、将来の老後のことを考えてもユニバーサル設計が理想的です。

忙しい方に適した家庭用の時短設備 

忙しい日々の生活の中で、最も有効に使われているのは電子レンジで、レンチンで簡単に作れるお料理がテレビやネット、雑誌などで、たくさん紹介されていますが、家庭用の時短設備は他にも以下のようなものがあります。

 

◆タッチレス水栓

タッチレス水栓はセンサーに手をかざすと水を流したり止めたりできるため、水栓の周囲が汚れず掃除の頻度を減らすことが出来ます。

 

また、複数の人が水栓に触ることがないので、衛生面からもメリットがあります。

 

◆食器洗い乾燥機(食洗機)

スペース確保に頭を悩ませる食洗機ですが、近年ではスリムなタイプも登場しており、定額利用サービス(サブスク)があるなど使いやすさがアップしています。

 

また、都心部の建売住宅やマンションでは最初からキッチンにビルトイン型食洗機が設置されている物件が大半を占めています。

 

ファミリーの場合、食器を手で洗うと1回あたり、おおよそ20分程度かかると言われており、食洗機を導入するだけで、かなりの時間短縮が可能になり、生活にゆとりが生まれます。

 

◆タンクレストイレ

水を貯めるタンクを省いたタンクレストイレは見た目のデザイン性の高さはもちろん、お手入れが楽なことで好評を得ています。

 

また、汚れにくい設計になっており、除菌水を流すことで掃除の頻度を減らせるタイプもあります。

 

注意点としては大地震などにより電気や水道が止まった際には、緊急的な対処方法はありますが、基本水を流すことができませんので、その点は理解されていた方が良いかと思います。

 

◆その他身近な家電用品

自動製氷機付冷蔵庫やT-faLの電気湯沸かし器、自動掃除ルンバ、アマゾンの音声アシスタント「アレクサ」や「スマートリモコン」を使った家電製品の操作やカーテンの開け閉め、「スマートロック」を使った鍵の施錠など、様々な物や家電製品が進化しています。

 

これら製品をかしこく使えば、より実りのある生活が実現できるかもしれません。 

 

基本的に、育児がしやすい家は、将来、自分達の老後にも住みやすい家になると思いますので、参考にして頂ければ幸いです