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近い将来太陽光パネルの設置が標準化する

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

国土交通省は2027年度から年間供給棟数が300戸以上の事業者が建設するセミオーダー式の新築戸建住宅の87.5%以上の物件で太陽光パネルの設置を要請するとの記事がでました。

 

セミオーダー式の新築戸建ては注文住宅の分類になりますが、大枠が既に決められた住宅の一部をカタログなどの中から選んで建築する方式です。

 

また、2022年度の新築建売の太陽光パネル設置割合は新築の8%、セミオーダー式の設置割合は58%となっており、この結果をもとに、年間供給棟数が150戸以上事業者に対しては建売住宅の37.5%以上に太陽光パネル設置の要請を行うとしています。

 

東京都では既に、大手ハウスメーカー等の事業者に対して、2025年4月から太陽光パネル設置の義務化を開始していますが、国土交通省がセミオーダーの新築戸建てや事業規模が中規模程度の事業者に対しても、太陽光パネル設置の義務化を促すことにより、太陽光パネルが設置された住宅の標準化が進みそうです。

 

政府は2030年までにZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を最低ラインにするという目標をかかげていますが、この勢いだと、その前に多くの新築住宅が太陽光パネルを設置した住宅になるかもしれません。

 

かつて耐震基準が新耐震基準に変わった際に、構造基準が厳しくなるので建設費が上がるとの思惑から、新耐震に移行する間に、駆け込みで建築確認申請を取得した建物が、今では、取引対象になりにくいのと同様に、近い将来、太陽光パネルの設置が無い戸建は、思うように売却できなくなる可能性があります。

太陽光パネルは万能ではない! 

では太陽光パネルを後で設置すればいいではないか?

 

という話が出てきますが、話はそう簡単なものではありません。

 

後付けした際の太陽光パネルの設置により、屋根からの漏水事故が万一発生した場合は、新築時からの屋根の保証は、屋根に手を加えて太陽光パネルを設置した時点で終わってしまいます。

 

例えば、築20年以上経過していればメーカー保証も切れているので、後から太陽光パネルを屋根に載せても良いかと思いますが、新築から10年経過する前に、太陽光パネルを屋根に設置するのは避けた方が良いと思います。

 

また、2025年4月以降からの新築住宅は省エネ基準に適応する必要があるので問題ありませんが、省エネ基準に適合していない2025年3月までに確認申請を済ませた建物の場合は、そもそも断熱性能等、建物の基準となる仕様が劣るため、中古物件として売買する場合には評価が低くなる可能性が大きいと言えます。

 

また、太陽光パネルを屋根に設置した場合、その後メンテンナンスをご自身で行う人は非常に少ないのが実態で、メンテンスには別途費用がかかります。

 

太陽光発電の源になるパネルは汚れを嫌います。

 

中国大陸から飛来する黄砂や春に大量発生するスギ花粉などが太陽光のパネルの表面を覆うと発電効率が落ちることになりますし、広葉樹の落ち葉や鳥の糞などが太陽光パネルのセルに付着するなどした場合は更に発電効率は落ちます。

 

バッテリーの性能も年数の経過とともに悪くなっていくので、いずれは交換等が必要になります。

 

太陽光パネルの耐久性能は環境にもよりますが、一般的に20年~30年とされており、35年以上稼働している例もありますが、太陽光発電も人が作り出した設備である以上寿命があり、メンテナンスが必要になり、更には廃棄にもお金がかかることになります。

 

明るい未来を期待するとすれば、現在急激な進化を遂げている曲がる太陽光電池である「ペロブスカイト太陽電池」の発電効率の更なる向上とコストダウン、そして何より耐久性が向上すれば、脱炭素化がより進んでいくのではないでしょうか。

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