渋谷区で主として中古(既存)マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
住宅ローン減税を受けるための床面積の要件が2026年(令和8)年1月1日から登記簿記載面積が50㎡以上から40㎡以上に緩和されて、今後は登記簿記載面積が40㎡以上から50㎡未満のマンションの取引がより活発化するのではないかと個人的に感じています。
但し、注意点があるので、ここでは中古(既存)マンションの購入を想定したお話で進めたいと思います。
不動産を購入した際に、所有権をご自身に変更するために所有権の移転登記を行う必要がありますが、この移転登記の際に登録免許税という税金がかかります。
この登録免許税は、実際に売買契約された金額ではなく、総務大臣が定める固定資産評価基準によって評価、決定された「評価額」に2%を乗じた額が徴収されるのですが、住宅用家屋の軽減税率の要件を満たせば、税率が0.3%に軽減されます。
但し、住宅用家屋の軽減税率を利用するには、一定の要件を満たす必要があり、その要件の一つとして、登記簿記載面積が50㎡以上という要件があるのです。
そのため、例えば登記簿記載面積が45㎡の中古(既存)マンションであれば住宅ローン減税を受けることは出来ますが、購入諸経費の一項目である登録免許税の軽減は登記簿記載面積40㎡以上~50㎡未満の物件ではこの軽減税率の適用を受けることができず、家屋の部分については本則通りの税額がかかります。
勿論、一般の方であれば所有権移転の際に司法書士から提示される所有権移転に関する見積書の登録免許税の額など、いちいち確認しないと思いますが、この軽減税率を受けることができる一定の要件が、住宅ローン減税の適用要件と非常に似通っているため、住宅ローン減税と登録免許税の軽減を連動させた物件購入シミュレーションだと、実際に係る費用が当初予想していた資金計画よりもオーバーしてしまう可能性があるので注意が必要です。
住宅用家屋の所有権移転登記の軽減税率の適用要件
住宅用家屋の所有権移転登記の軽減税率「評価額×0.3%」が適用されるのは以下の内容を満たす必要があります。
①2027年(令和9年)3月31日までの間に住宅用家屋を取得し自己の居住用に供した場合
②個人の居住のための登記簿記載面積が50㎡以上の家屋
③1982年1月以降に建築された家屋又は耐震基準適合証明等により新耐震基準を満たしていることが証明できる家屋
④取得後1年以内に登記申請すること
⑤登記原因が「売買」または「競落」であること
⑥市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」を添付すること
⑦建築基準法上の耐火又は準耐火構造の建築物であること
となっています。
④は決済と同時の移転登記申請が通常であり、⑥の住宅用家屋証明書は司法書士が代理で取得してくれますし、⑦はマンションであればまず問題は無いので、実際には、「個人が自己の居住としてマンションを購入、登記簿記載面積が50㎡以上で新耐震基準を満たした建物を売買で取得した場合」と考えれば良いと思います。
登録免許税の実際の計算方法
ではマンションの登録免許税の計算をしたいと思います。
土地の所有権の移転登記に関しての登録免許税は2029年(令和11年)3月31日までの間に登記を受ける場合には「評価額×2%」が「評価額×1.5%」となっています。
【計算例】
1.登記簿記載面積70㎡ 売買価格が3,500万円 郊外のファミリータイプの新耐震基準のマンション
土地の評価額が780万円、家屋の評価額が700万円だった場合
780万円×1.5%=117,000円
700万円×0.3%=21,000円
となり合計で138,000円の登録免許税がかかります。
2.登記簿記載面積45㎡ 売買価格が3,500万円 都心部の1LDKの新耐震基準のマンション
土地の評価額が780万円、家屋の評価額が700万円だった場合
780万円×1.5%=117,000円
700万円×2.0%=140,000円
となり合計で257,000円の登録免許税がかかります。
あくまでも仮のお話しになりますが、全く同じ評価額の物件でも、住宅家屋の軽減税率が使えないマンションの場合の登録免許税は119,000円になり、軽減税率が適用される物件と比較して、約1.86倍も登録免許税が高いことになります。



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